石角友香の執筆ポートフォリオ
情報誌の音楽担当を経て、音楽ライターとして独立。主に日本のポップミュージックの記事を執筆しています。インタビュー、ライブレポート、コラムなど、ドキュメント7、ジャーナリズム3ぐらいの意識で、現場にいるリスナーの感覚を重視しています。
プロフィール
石角友香 Yuka Ishizumi
情報誌の音楽担当を経て、独立。主に日本のポップミュージックについて執筆しています。インタビュー、ライブレポート、音楽コラム、レビューなど。RealSound、OTOTOY、SPICE、Skream!、encore(有線のオウンドメディア)、DIGLE MAG、Spincoasterなどに寄稿。
最近の記事
SIRUPが約6カ月ぶりのニューシングル「GAME OVER」をリリースした。「GO!!」に続いてTaka Perryをサウンドプロデュースに迎えた同曲は、SIRUPのルーツであるソウルやR&Bをモダンに解釈したユニークなナンバー。恋愛をゲームのようにコントロールしようとすることの不毛さや憂いを表現したリリックと相まってシュールな印象も残す。今回は「GAME OVER」の着想はもちろん、11月と12月にそれぞれ行われるタイと韓国での単独公演までの経緯、大きな振り幅を見せた2024年のフェス・イベント出演で得たもの、それらを前提にした来年のビジョンなどを語ってもらった。RealSound
音楽の新しさとはなんだろう?と考える。ジャンルの交配や新しいソフトウェアを使うことも遠因にはなるだろうが、一人のブッ飛んだアーティストの脳内に敵うものはないのかもしれない。と言うのも、浅井健一の2年半ぶりのソロアルバム『OVER HEAD POP』の音像や作品性がとてもフレッシュで、いまだに初期衝動に満ち溢れていたからなのだ。前作まではコロナ禍という時代性も影響していたのか、閉塞する世界の中でも光を見出すような内面的な楽曲が散見されたが、今作はもっとタフでポップだ。Bezzy
この宇宙のどこかに存在する『惑星X』。まだ出会ったことのない音楽を探索するTempalayというバンドの意思そのものを表したようなライブタイトルだ。円谷プロダクション風の懐かしい告知ビジュアルに惑わされそうになるが、彼らと我々がいるのはまごうことなき2024年の10月3日である。昨年12月1日に「銀河系のどこかで開催」と、場所未定のままチケット販売を開始。その後、日本武道館であることを明らかにし、かなり早い段階で完売した。RealSound
人生の喜びの大半は他者と深い部分で共鳴し、さらにまだ世の中にないものを生み出すことじゃないだろうか。尾崎雄貴は前作『Bee and The Whales』のツアー中、すでに異なる2枚のアルバムを同時にリリースすると言い切っていた。しかし内実はすでに曲があったからではなく、始動後のGalileo Galileiならいくらでも曲を書けるという確信があったから切れた啖呵だったのだ。そんな前向きなアグレッシヴさが投影された2作のアルバム『MANSTER』と『MANTRAL』。人間性の表面と内側をテーマに分けられた2作はサウンドやアレンジの方向性もかなり明確に分かれているが、トータルの聴後感は彼らの創作の冒険に対する憧憬だった。わんわんスタジオとリモートで繋ぎ、メンバー全員に大いに話してもらった。SPICE
実像が掴みにくいバンド名、“キネマポップバンド”というキャッチフレーズ、8月にリリースされたEP『週刊奇抜』の昭和のアイドル誌めいたアナクロなビジュアルと相反してAI生成されたようなキメラっぽいMV群の令和感。バンドイメージの焦点が合わないまま百聞は一見にしかずということで、現場に急行した。RealSound
tricotのボーカル&ギターとしての活動以外に、パフォーマーとしての側面に特化している印象のジェニーハイ、山本幹宗とのミニマムなプロジェクトでインディポップなサウンドを繰り出す好芻と、音楽だけでも複数のアウトプットを持つ中嶋イッキュウ。彼女がほぼ10年ごしに初のソロ作『DEAD』をリリースしたのが今年の5月末。早くも2ndアルバム『LOVE』が到着した。Mikiki
THE SPELLBOUNDが約2年半ぶりとなるアルバム『Voyager』をリリースする。バンドがスタートしてからの集大成的な楽曲「LOTUS」をはじめ、ツアーを経たことで獲得した肉体性や共感を反映したロック・バンドならではの楽曲、前作からの間に挑戦した"夢ノ結唱"への提供曲の原曲等、コアファン以外も気になる楽曲も収録。難解になることなく未知の領域に踏み込む絶妙なバランスが際立つ本作について、中野雅之と小林祐介にじっくり話を訊いた。Skream!
国内外のインディポップと共振しながら、日本語の表現にも繊細で大胆なオリジナリティを見せる彼らが、早くも今年第三弾のシングル「渚で会いましょう」を8月21日にリリースする。前2作でリスナーを広げた感がある中、新曲では少し体験的なユニークなリズムアプローチやアレンジを聴かせ、感覚的に楽しめる音楽と出逢わせてくれる。10月からは全国6カ所を巡るワンマンツアーも控える中、バンドの深部を知る好機になりそうな新曲、そしてツアーについてメンバー全員に答えてもらった。ぴあ
Kroi が6月19日にリリースした3rdアルバム『Unspoiled』のリリースイベント――と言うにはあまりにもスペシャルな――「Kroi Free Live at "Departure" at 横浜赤レンガ倉庫」を6月22日(土)に開催した。赤レンガ倉庫の建屋をバックドロップがわりに、極上のグルーヴを潮風に乗せたKroiと呼応するオーディエンス、横浜の風景をレポートする。encore
「生きててよかった!」と叫びを上げる藤原聡(Vo/Pf)の姿に象徴的だったが、もちろんそれ以外にもライブ活動を休止していたと思えないメンバー各々のプレイヤビリティの向上、さらにいえばメンバーが増えたサポート陣が大挙してステージに現れる様子など、あらゆる場面が“Official髭男dismのライブ”でしか味わえない興奮に満ちていた。約1年半ぶりのワンマンライブであり、発声可能なライブとしては約4年ぶりの開催である。RealSound
映像を担当するメンバーも所属するクリエイティブミクスチャーユニットという初期設定もさることながら、強力なライブアンセム「Jurassic」、メロディアスなスローチューン「No Time To Lose」など曲のよさが際立ってきたNIKO NIKO TAN TAN。彼らがメジャー1stアルバム『新喜劇』を8月7日にリリースした。既発のシングル曲も多く含みながら、今とこれからを示唆するアルバムタイトルチューンや、ギターのサウンドをフィーチャーしたリード曲「Only Lonely Dance」など、新曲たちも強い。マイペースさと野心が混在したかのような不思議な存在感を放つOCHAN(Vo/Synth)とAnabebe(Dr)に、ニューアルバムの話を通してNIKO NIKO TAN TANのオリジナリティについて聞いた。
RealSound
odolがニューアルバム『DISTANCES』を携えたライブを大阪・東京で開催。ここではSoldOutした2本目の東京公演をレポートする。ちなみに東京でのスタンディングのワンマンライブはなんと5年ぶりである。SENSA
メジャー1stフルアルバム『月で読む物語』と本作を携えた全国ツアー「輝夜を捜して」で同世代バンドと一線を画すストーリー性を体現したクジラ夜の街。この夏はさまざまなフェスやサーキットイベント、またメンバー4人が各々ミュージシャンとして参加するイベントも決定し、オリジナリティを垣間見せている。6月にはシングル「祝祭は遠く」をリリースし、同曲も含むメジャー2nd EP「青写真は褪せない」を7月3日にリリースする。今回はこのバンドの新たなフェーズを予感させるEPについて早速インタビュー。
2023年12月15日に開催された企画ライブ『長い一日』終演後に発表されたイベントシリーズ『小林私の五日間』。当初は新しい音楽の楽しみ方を提案するイベントとして、Vol.1の「小林私とマターリ歌う日」のみの内容発表だったが、回を追うごとにいわゆる音楽ライブとしては逸脱した、毎回趣向の異なるライブを展開した。果たして『小林私の五日間』とは何だったのか? レポートで振り返る。